並盛り

少食は辛い。食べ物屋でメニューを見ている時、まず考える事は「食べ切れる量だろうか…」ということだ。本来美味しいものを食べて幸せな気分になるのが目的なのに、すぐお腹いっぱいになってしまって、まだだいぶ残っている目の前のご飯に対して悲しくなる。残せばいいのだが、この残り物を厨房の人が捨てなければならないと思うと申し訳ないし、せっかくお金を払ったのに何だか他の人より損をした気分になる。

この前東京に食べに行った三河島のラーメン屋では、並盛りを頼んだのに3分の2ほど食べたところで満腹になってしまった。あと少しだからと、なんとか完食したものの2時間後に嘔吐してしまった。参加したライブにも影響が出て、後半は会場を抜け出してトイレに篭っていた。無理をするもんじゃないなと実感した。

旅行の楽しみの一つには大抵ご当地料理や甘味を食べる事も入っているだろう。私も旅行に行く時にはどのお店で食べようかネットや雑誌で調べることがある。その時に口コミなどで「ボリューム満点!」の文字があるとその時点でその店を諦めなければならない。またこの前大阪に行った時は、有名なたこ焼き屋を二軒まわろうと計画していたが、一軒めで腹八分になり二軒めは行けなかった。6つ食べただけでお腹は満足してしまったが、私の心はまだ物足りない気分だった。悲しい。

その反動でよく、YouTubeで投稿者が大盛りの料理を淡々と食べている動画を見ている。二郎ラーメンやたっぷりのカレーを苦しい表情一つ見せずに、ただもくもくと食べている姿は、他人に置き換えて私の沢山食べたい欲求を満たしてくれる。

外食する時には少し緊張する。もっといっぱい食べたいなあと、満腹になりながらいつも思っている。